埼玉県北足立郡石戸村(現北本市)でトマト栽培が始まったのは、大正14年(1925)です。当初の栽培はトマトの種子をアメリカに輸出する目的で行われ、その後、村で果肉利用が計画される中、昭和2年(1927)「トマトクリーム」が開発されました。
トマトクリームは国産初の無着色ピューレといわれ、そのため各地から視察が相次ぎ、さらに精養軒、千疋屋、帝国ホテルなどの食品部からも高評価を得ました。
生で食べる選果されたトマトの出荷も行われ、「石戸トマト」のラベルが印刷された薄紙に一個ずつ包まれ、収穫期の7月~9月に東京の神田市場で取引がされていました。石戸トマトやトマトクリームは戦争中に生産を中止しましたが、昭和の一時期は全国的な名声がありました。戦後、トマト生産も再開され「北本トマト」は北本市のブランド農産物になりました。
トマトのおいしさを知り尽くした北本市だからこそ生まれた「北本トマトカレー」は、2014年全国ご当地カレーグランプリで優勝、さらに2016年にはC-1グランプリ優勝、2019年に再度全国ご当地カレーグランプリで優勝し、3度の全国1位に輝きました。日本一と評価された味を、ぜひご家庭でご賞味ください。